愛媛県のプールで、先月下旬、小学5年生の男の子が排水口に吸いつけられておぼれ、一時、意識不明になる事故があり、この排水口の構造が国の安全指針を満たしていなかったことから、消費者庁などは、全国の学校や公共施設などのプールの管理者に対し、指針を守っているかあらためて点検するよう要請しました。
愛媛県今治市では、先月21日、市営のスポーツ施設にあるプールで、小学5年生の10歳の男の子が排水口に背中を吸いつけられておぼれ、一時、意識を失いました。このプールの排水口は、人が吸いつけられるのを防ぐために手前に広いさくを設けるといった2重構造になっておらず、4年前に埼玉県ふじみ野市で小学生の女の子が死亡した事故を受けて国が作った安全指針が守られていませんでした。このため消費者庁は、文部科学省や国土交通省などとともに、全国の学校や公共施設、それに民間などのプールの管理者に対し、指針を守っているかあらためて点検するよう要請しました。具体的には、▽排水口を2重の構造にしたり、ふたなどのネジやボルトを固定したりすること、▽また、監視員の配置といった管理体制を適切にすることが盛り込まれています。プールの安全指針をめぐって、先月事故が起きた今治市は「指針をよく理解していなかった」と話していて、対策の徹底が課題となっています。