国連のパン・ギムン事務総長は、被爆地、広島で高校生と対話集会を行い、核兵器のない世界の実現に向けた若い世代の活躍に期待を示しました。
パン事務総長は、6日午後、原爆の爆心地に近い広島市内の高校を訪問し、およそ100人の生徒に拍手で迎えられました。対話集会では、英語で生徒の1人が「原爆によって6300人もの中高生が殺されたとされていて、私たちの学校でも676人の生徒が命を失いました。この悲劇的な歴史を、あらゆる機会を通じて伝えることが義務だと思っています」と述べました。これに対して、パン事務総長は「私もきょう被爆者から直接話を聞いたり、歴史的な資料を見たりしたが、多くの罪のない若者の命が失われたと知り、悲しい気持ちでいっぱいだ」と述べました。そのうえで、パン事務総長は「国連は非核化を最優先課題の一つと考えていることをあなた方に伝えたい。核兵器のない世界は非現実的で、高すぎる目標だと言う人がいるが、目標さえあれば実現に向けて行動できる。国連事務総長や総理大臣だけでなく、あなた方、若い世代にこそ頑張ってもらいたい」と述べ、高校生ら若い世代の活躍に期待を示しました。集会のあと、男子生徒の1人は「パン事務総長のことばには重みが感じられた。自分たち若い世代が、原爆の被害や核廃絶に向けたメッセージを発信していきたい」と話していました。