国際捕鯨委員会の管理の対象になっていない小型のクジラ「ツチクジラ」のことしの漁がオホーツク海で解禁され、20日未明、北海道の網走港から捕鯨船が出漁しました。
日本沿岸の商業捕鯨は、IWC=国際捕鯨委員会が禁止していますが、ツチクジラはIWCが管理していない、体長およそ8メートルの小型のクジラで、水産庁が全国で年間66頭、オホーツク海で年間4頭まで捕獲を認めています。北海道の網走港では20日午前1時、網走と和歌山県の業者が共同で操業している捕鯨船1隻が、乗組員7人を乗せて漁に出ました。捕鯨船はさらに1隻が出漁して、網走や知床半島の沖合で操業し、1隻当たり2頭を水揚げするということです。日本の沿岸捕鯨をめぐっては、ことし6月のIWC総会で、ミンククジラなどの商業捕鯨の再開が協議されましたが、議論は打ち切られ、結論は先送りされています。オホーツク海のツチクジラ漁は今月末まで行われます。網走市では、地元の捕鯨業者と市が「網走くじら協議会」をつくり、国などに商業捕鯨の再開を働きかけてきました。協議会の会長を務める大場脩網走市長は「鯨は日本古来の食文化。大事な資源ということを強くアピールし、商業捕鯨再開を働きかけていきたい」と話していました。