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『論語』の衛霊公篇-35
日期:2014-05-06 22:02  点击:435
[白文]35.子曰、民之於仁也、甚於水火、水火吾見蹈而死者矣、未見蹈仁而死者也、 
 
[書き下し文]子曰く、民の仁に於けるや、水火よりも甚だし。水火は吾蹈みて(ふみて)死する者を見るも、未だ仁を蹈みて死する者を見ざるなり。 
 
[口語訳]先生が言われた。『人民の仁徳に対する態度は、水や火に対するよりもずっと大切なものである。水と火に深く接し過ぎて死ぬ人間は見たことがあるが、まだ仁徳に深く接し過ぎて殉死したような人は見たことがない。』 
 
[解説]人間を人間たらしめる条件である『仁徳』の重要性と生活に欠かすことのできない『水・火』の重要性を比較して、ややシニカルに仁徳の尊さを教えている章である。水や火に深く接しすぎて焼け死んだり溺れたりした人は多くいるが、仁徳に深く接しすぎて仁のために自己の生命を投げ出した人は殆どいないというわけである。
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