海外で広く使われている薬が国内では承認されず、保険が適用されない「ドラッグラグ」の問題を解消するため、有効性などが認められ国内での臨床試験は不要とされた薬については、承認前でも保険が適用されることになりました。
ドラッグラグは、海外では有効とされ広く使われている薬でも、国内では承認に時間がかかり、患者が使用する際に保険が適用されない問題です。これについて、厚生労働省は、25日開かれた中医協=中央社会保険医療協議会の中で、特定の病気への有効性や安全性が十分に認められ、国内での臨床試験は不要とされた薬については、承認前でも保険を適用する方針を示し、了承されました。これによって、保険適用までの期間が大幅に短縮され、すでに有効性や安全性が認められている卵巣がんの薬など5つの薬の7種類の用法については、早ければ今月30日から保険が適用されることになりました。卵巣がんの患者会の代表を務める片木美穂さんは「患者の経済的な負担を減らすという意味では待ち望んでいた大きな一歩だと思う。ただ、承認を求めている薬はほかにも膨大にあり、保険適用が認められるのはほんの一部にすぎないので、これからもドラッグラグの根本的な解決を訴えていきたい」と話しています。