脳死と判定された15歳未満の子どもからの臓器提供が認められたことを受けて、28日、兵庫県西宮市の病院で、臓器提供に向けて行われる一連の手続きなどを確かめるための訓練が行われました。
訓練は兵庫県西宮市にある兵庫医科大学病院で行われ、医師や職員、それに日本臓器移植ネットワークのコーディネーターなど、およそ40人が参加しました。訓練の想定は、おやつをのどに詰まらせた3歳の女の子が1週間後に脳死状態になったというもので、参加者はまず、訓練用の子どもの人形を調べて虐待された跡がないかを確かめました。続いて、両親の了解を得て呼ばれたコーディネーターと担当の医師が、移植について両親役の職員に説明したうえで、承諾書を作成しました。このあと3人の医師が、脳死判定マニュアルに従って体の反応や脳波などを確認する訓練を行っていました。15歳未満の子どもからの臓器提供は、先月施行された改正臓器移植法によって道が開かれましたが、これまでのところ実施された例はありません。兵庫医科大学病院の谷澤隆邦主任教授は、「シミュレーションを通して一連の流れを確かめることができた。今後もしっかりと態勢を整えたい」と話していました。