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【牛車】~第二百二十三段
日期:2014-06-29 17:10  点击:1113
 五月ばかりなどに山里にありく、いとをかし。草葉も水もいと青く見えわたりたるに、上はつれなくて草生ひ茂りたるを、ながながとたたざまに行けば、下はえならざりける水の、ふかくはあらねど人などのあゆむにはしりあがりたる、いとをかし。
 
 左右(ひだりみぎ)にある垣にある、ものの枝などの、車の屋形(やかた)などにさし入るを、いそぎてとらへて折らむとするほどに、ふと過ぎてはづれたるこそ、いとくちをしけれ。
 
 蓬(よもぎ)の車に押しひしがれたりけるが、輪の廻りたるに、近ううちかかりたるもをかし。 
 
(現代語訳)
 
 五月のころに、山里に出かけるのはとても楽しい。草葉も田の水もたいそう青々として一面に見渡されるが、表面はさりげなく生い茂っているそこを、牛車でぞろぞろとまっすぐに行くと、草の下には何ともいえずきれいな水が深くはないがたまっていて、従者などが歩くとしぶきが飛び散るのが愉快だ。
 
 道の左右の生垣に植えられた何かの木の枝などが、車の屋形などに入るのを、急いで折り取ろうとしたら、さっと通り過ぎて手元から外れてしまったのが、実に残念だった。
 
 よもぎの、車輪に敷かれて押しつぶされたのが、車輪が回るのにつれて、近くに匂ったのも楽しかった。
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