名古屋市のシンボルとして親しまれている高さ180メートルの「名古屋テレビ塔」を、人の力で揺らして地震に対する揺れの特徴を調べる実験が行われました。
名古屋テレビ塔は、地上テレビ放送の完全デジタル化に伴って、来年、電波塔としての役目を終えますが、歴史的な価値の高さを考慮して保存に向けた耐震工事を行うことが検討されています。実験は、テレビ塔を運営する会社が耐震工事に必要なデータを集めるため、名古屋大学などのグループに依頼して行いました。地上90メートルの展望デッキでは、地震計などの計測器が取り付けられたあと、学生ら15人が並んでメトロノームのリズムに合わせ同じ方向に体を揺らしました。しばらくすると、地震計に揺れが観測されはじめ、人にもはっきりと感じられるほど、揺れました。研究グループは今後、データを詳しく調べ、地震に対する揺れの特徴を分析することにしています。実験を行った名古屋大学大学院の福和伸夫教授は「考えていたよりも大きな揺れになり、鉄でできている建物なので、揺れが収まりにくい特徴がある。テレビ塔を末永く残すためにも、今回のデータが役立てばと、期待している」と話しています。