カナダで開かれていた北アメリカで最大級のモントリオール世界映画祭で、女優の深津絵里さんが、日本人で2人目の最優秀女優賞を受賞しました。
先月から開かれていたモントリオール世界映画祭は、最終日の7日、コンペティション部門の各賞が発表され、李相日監督の映画「悪人」に主演した女優の深津絵里さんが最優秀女優賞を受賞しました。この映画は、吉田修一さんのベストセラー小説を原作に、出会い系サイトで知り合った男女の逃避行を描いた作品です。深津さんは、日々の生活にもの足りなさを感じ、妻夫木聡さんが演じる殺人犯とともに逃げ続ける女性の揺れる心境を、体当たりの演技で表現しました。深津さんは、昭和63年に映画デビューしたあと、多くのテレビドラマや映画に出演し、コメディーからサスペンスまで幅広くこなせる演技派として活躍しています。モントリオール世界映画祭は、ことしで34回目を迎えた北アメリカで最大級の映画祭で、日本映画ではおととし、滝田洋二郎監督の「おくりびと」がグランプリを受賞しました。日本人の俳優では、高倉健さんが1999年に映画「鉄道員」で男優賞を受賞しており、女優賞の受賞は、1983年の田中裕子さん以来、2人目です。受賞について、深津絵里さんは「ほんとうにうれしいです。日本にいるキャスト、スタッフのみんなにこの喜びを伝えたいです。監督の演出がなければ、あの演技はできなかったと思うし、相手が妻夫木さんでなかったらとれなかった賞だと思います」というコメントを発表しました。