台風9号から変わった熱帯低気圧の影響で、関東甲信と静岡県に発達した雨雲がかかり、局地的に猛烈な雨が降っています。気象庁は、低い土地の浸水や土砂災害、洪水などに厳重に警戒するよう呼びかけています。
気象庁の発表によりますと、台風9号は8日午前11時すぎに福井県敦賀市付近に上陸したあと東海地方を通過し、午後3時に静岡県で熱帯低気圧に変わりました。台風から変わった熱帯低気圧と前線の影響で、関東甲信や東海では南から湿った空気が流れ込んで大気の状態が不安定になり、局地的に雨雲が発達しています。午後5時までの1時間には、神奈川県小田原市で55.5ミリの非常に激しい雨を観測したほか、千葉市で48.5ミリ、静岡県三島市で42ミリの激しい雨が降りました。また神奈川県山北町の丹沢湖では、午後5時までの10時間に降った雨の量が500ミリ近くに達し、記録的な大雨となっています。さらに気象庁のレーダーによる解析では、神奈川県山北町付近と静岡県小山町付近でいずれも午後4時までの1時間に120ミリ以上の猛烈な雨が降ったと見られます。これまでの雨で、神奈川県と山梨県、それに静岡県では土砂災害の危険性が非常に高くなっている地域があり、神奈川県と静岡県では川が増水し、洪水の危険性が非常に高くなっている地域があります。関東甲信と東海では、8日夜遅くにかけて大気の不安定な状態が続き、雷や突風を伴って1時間に50ミリの非常に激しい雨が降り、局地的には80ミリ以上の猛烈な雨が降るおそれがあります。9日夕方までに降る雨の量は、いずれも多いところで甲信で150ミリ、関東で100ミリなどと予想されています。気象庁は、土砂災害や低い土地の浸水、それに洪水に厳重に警戒するとともに、竜巻などの突風にも十分注意するよう呼びかけています。