働く人たちに景気の実感を聞く先月の「景気ウォッチャー調査」は、円高の進行に対する懸念やこの夏の猛暑による秋物の衣料品の販売の不振から、景気の現状を示す指数が2か月ぶりに悪化し、下落幅も過去4番目の大きさとなりました。
この調査は、内閣府が全国の小売店や飲食店などで働いている2000人余りを対象に3か月前と比べた景気の実感を聞いた結果を指数で示すものです。先月の調査で景気の現状を示す指数は、45.1と前の月を4.7ポイント下回って、2か月ぶりに悪化し、下落幅も過去4番目の大きさとなりました。これは外国為替市場で円高が進んでいることを受けて、輸出企業の業績が悪化することや雇用や家計などに影響が及ぶことに対する懸念が広がったこと、さらに、この夏の猛暑で秋物の衣料品の販売が不振だったことや商業施設や観光地の人出が減少したこともマイナスに働きました。また、景気の先行きを示す指数も40.0と前の月を6.6ポイント下回り、こちらも過去4番目の下落幅となりました。内閣府では「円高と猛暑の影響でマインド面で大幅なマイナスになった。今後、エコカーに対する補助金が打ち切られることもあり、景気の先行きを注意深く見ていく必要がある」と話しています。