この夏は各地で記録的な猛暑となりましたが、先月は、日本周辺の海面水温も過去25年間で最も高くなっていたことがわかりました。水温の高い状態はしばらく続く見込みで、気象庁は「台風が接近した場合は、勢力が衰えにくいので、注意してほしい」と話しています。
気象庁の観測によりますと、日本周辺の先月の海面水温は、平均で平年より1.29度高く、現在の方法で観測を始めた昭和60年以降の25年間で最も高くなりました。特に先月中旬以降は、水温が25度以上の海域が、日本海では北海道南部まで、太平洋でも三陸沖付近まで広がり、先月下旬には北海道の南東沖で20度から25度と平年より4度以上も高くなっていました。これについて気象庁は、先月は上空の偏西風の流れが平年より北に偏っていたため、日本付近が高気圧に覆われやすく、強い日ざしが照りつけ、風も弱かったことが要因となったとみています。ことしは先月12日に秋田県に上陸した台風4号や、8日、福井県に上陸した台風9号のように、日本の近海で発達し、あまり勢力が衰えない台風が相次いで接近しています。海面水温は今月に入ってからも北日本の沿岸で25度以上となるなど、しばらくの間平年より高い状態が続く見込みで、気象庁は「台風が接近した場合は勢力が衰えにくいので、注意してほしい」と話しています。