口てい疫の被害が最も広がった宮崎県川南町で、処分された家畜を弔う慰霊祭が行われました。
宮崎県内では、口てい疫のためにおよそ29万頭の牛や豚が処分されました。このうち、最も多いおよそ17万頭が処分された川南町では、町役場近くの広場に家畜の慰霊碑が完成し、25日、畜産農家らおよそ400人が参列して慰霊祭が行われました。慰霊祭では、畜産農家でつくる団体の江藤和利会長が「宮崎や日本の畜産を守るためには、家族と同じように育ててきた尊い命をひきかえにするしかありませんでした。この被害を忘れず復興を果たします」と述べました。このあと、宮崎県の東国原知事ら参列者が慰霊碑に花を手向け、全員で黙とうをささげました。農家の76歳の男性は「牛がいなくなり、気持ちが負けそうになりましたが、きょうを区切りに再建に向けて前向きになりました」と話していました。このあと畜産の復興を願う大会も開かれ、被害が拡大した原因を川南町が独自に調査することや、農家の心のケアを進めることなどが報告されました。