世界各地で異常気象とみられる被害が起きているなかで、国際的な学術団体が主催する専門家会合がフランスのパリで始まり、地球温暖化が異常気象に影響する仕組みなど、さまざまな研究報告が行われています。
この専門家会合は、世界気象機関などが支援する国際的な学術団体が主催しているもので、各国から100人を超す研究者が出席し、27日から3日間の日程でパリにあるユネスコ=国連教育科学文化機関の本部で開かれています。ことしは、ロシアや日本で猛暑によって深刻な影響が出ているほか、パキスタンでは大雨によって大規模な洪水が起きるなど、世界各地で異常気象によるものとみられる被害が報告されています。しかし、異常気象が起きるメカニズムについては不明な点も多く、この専門家会合では、とりわけ重要な研究テーマとなっている地球温暖化と異常気象との関係について、さまざまな研究報告が行われることになっています。このうち、日本から参加した国立環境研究所の江守正多室長は、シミュレーションモデルを使って、温暖化によって大雨が増えるメカニズムについて報告するとともに、熱帯地域での大雨の予測が難しいことからさらに研究が必要だと指摘しました。この専門家会合では、最終日の29日に、異常気象による被害を軽減していくために必要な研究について提言をまとめることにしています。