奈良市の平城宮跡で、現在の風景にコンピューターで作った奈良時代の映像を重ね合わせ、かつてのその場にいるような体験ができる催しが29日から始まりました。
この体験会は、平城京への遷都からことしで1300年になるのを記念して開かれている催しの一つで、参加者は専用の車両に乗り込み、会場を巡りながら映像を体験します。特殊なゴーグルを着けると、今の平城宮跡の風景と、コンピューターで作られた奈良時代の都の建物や道行く人の姿が重なり、目の前にいるかのように映し出されます。さらに車両が動き始めると風景が流れるように見え、向きを変えるとその方向の風景が映し出されるということです。参加した人は「博物館で見るのと違って臨場感があり、とてもおもしろいです」と話していました。装置を開発した東京大学生産技術研究所の池内克史教授は「現実の場所で、歴史を感じてもらえるのが特徴で、ほかの遺跡などでも活用していきたい」と話しています。この催しは土曜日と日曜日を除く、来月6日まで開かれています。