世界の植物の5分の1が絶滅の危機にあるという最新の調査結果がまとまり、研究を行ったイギリスの王立植物園では、植物の保全に向けて国際的な協力態勢を強化すべきだと指摘しています。
調査は、イギリスにある世界的な植物園「キュー王立植物園」などが行いました。全世界で38万種記録されている植物を、蘭やイネなどが含まれる「単子葉植物」や、マメの仲間など、代表的な5つのグループに分け、それぞれのグループから無作為に選んだあわせて7000種類について現状を調べました。その結果、情報が不足し評価できなかったものを除いた、およそ4000種類のうち、5分の1以上に当たる22%が、絶滅の危機にあることがわかりました。特に深刻なのは熱帯地域で、農地や牧草地として利用するための開発が進み、多くの植物の自生地が破壊されているということです。キュー王立植物園では、絶滅の危機にある植物を保全するため、国際的な協力態勢を強化すべきだと指摘しています。今回の研究結果について、東京大学附属植物園の邑田仁園長は「多くの植物が研究も進まないうちに絶滅にひんしているのが現状で、国際協力で、実態の把握を早急に進め、保全に向けて取り組む必要がある」と話しています。