太平洋戦争中にフィリピンで戦死した日本兵として収集された遺骨の中に、現地の人たちの遺骨が含まれている疑いがあるとして、遺族などで作る団体が厚生労働省に対して、遺骨収集を適正に行うように求める要請書を提出しました。
フィリピンで戦死した日本兵の遺族や戦友で作る団体のメンバーは、8日、厚生労働省を訪れ、担当者に要請書を手渡しました。要請書では、厚生労働省が委託した日本のNPO法人がフィリピンで集めた日本兵の遺骨の中に、現地のフィリピン人の遺骨が含まれている疑いがあると指摘していて、遺骨収集を適正に行うように求めています。団体のメンバーの河村俊郎さんは記者会見で、「現地の人の証言だけで『日本人の遺骨だ』とするなど、ずさんな収集が行われている。きちんと検証しないと大きな国際問題になる」と話しています。厚生労働省は、フィリピンでの遺骨収集が適切に行われているか現地に担当者を派遣するなどして検証を進めるとともに、その結果が出るまで、今年度に予定していた遺骨収集を延期することを明らかにしました。