戦後まもないころまで全国各地にあった旧制高校の当時の学生寮の歌を披露し合う「日本寮歌祭」が、卒業生の高齢化から、ことしで半世紀余りの歴史に幕を閉じることになり、11日、最後の祭典が開かれました。
昭和36年から毎年開かれてきた「日本寮歌祭」は、卒業生の高齢化によって、50回目のことしで幕を閉じることになりました。東京・新宿区の会場で開かれた最後の寮歌祭には、東京の早稲田高等学院や京都にあった旧第三高等学校、それに台湾にあった旧台北高等学校など、57校の卒業生およそ1000人が集まりました。かつての若者もほとんどが80歳を超え、最高齢は99歳です。みんな学生服や、はかまに高げたといったバンカラな格好でのぼりや旗を掲げて壇上に上がりました。そして、元気いっぱい声を張り上げて懐かしい寮歌を歌っていました。毎年参加してきた89歳の男性は「寮歌はいつも心の支えです。最後かと思うと寂しいですが、仲間といっしょに歌えることが幸せで、いろいろな思い出が頭をよぎります」と話していました。主催した日本寮歌振興会の神津康雄会長(92)は「潔くやめるのも旧制高校の美徳です。寮歌を歌えば、いつまでも若くいられます」と笑顔で話していました。