ロシアのメドベージェフ大統領は、先月解任した首都モスクワのルシコフ前市長の後任に、プーチン首相の側近のソビャーニン副首相を指名し、来年末の下院選挙をにらみ、プーチン首相との連携を軸にした支持固めを図るねらいがあるものとみられます。
ロシアのメドベージェフ大統領は、就任後、州知事など地方の指導者の世代交代を進めてきましたが、先月28日、最後に残った有力政治家で、モスクワのルシコフ市長を「信任を失った」として解任しました。そして、メドベージェフ大統領は15日、プーチン首相の側近で、副首相のソビャーニン氏を後任の市長候補に指名し、モスクワで深刻な汚職の問題や交通渋滞の解消に取り組むよう指示しました。モスクワの市議会は、与党「統一ロシア」が議席の多数を占めており、ソビャーニン氏の市長への就任を近く承認する見通しです。首都モスクワでは、解任されたルシコフ氏が18年間、市長を続け、独自の支持基盤を築いてきましたが、メドベージェフ大統領としては、プーチン首相側近を後任の市長に就任させることによって、来年末の下院選挙を前に、プーチン首相との「2頭体制」と呼ばれる政権への支持固めを図るねらいがあるものとみられます。