鹿児島県奄美市の大島地区消防組合によりますと、奄美市の中部を流れる住用川沿いなどで冠水したため住民から救助を求める通報が相次いでいるということです。通報の中には「屋根のうえに避難している」とか、「冠水した中で墓石につかまっている人が7人いる。救助してほしい」といった内容もあり、消防が救助に向かっていますが、道路が冠水していて車で近づけない状態だということです。
消防では、通報した人とあらためて連絡をとるため自宅などの固定電話に電話をかけていますが、交換局の設備が浸水して電話回線が不通になっている影響もあって安否の確認に手間取っているということです。消防によりますと、今のところけが人の情報は入っていないということです。奄美市によりますと、住用川沿いにある地区には、市役所の支所が午前11時50分から防災行政無線で避難を呼びかけていたということです。奄美市住用町にある住用郵便局では、20日昼ごろ1階建ての建物の中に水が流れ込み、客1人と郵便局の社員7人が屋上に避難しているということです。8人は、隣にある奄美市役所の住用総合支所からロープを使って渡されたごみ袋をかぶって、屋上で雨をしのいでいるということです。地元住民の話によりますと、「奄美市の住用町西仲間にある奄美市役所の住用総合支所から、およそ100メートル離れたグループホーム『わだつみ苑』で、平屋建て建物の屋根の上に数人の人が避難している」という情報があるということです。住用総合支所からその様子が見えるということですが、詳しいことはわかっていません。「わだつみ苑」には、お年寄り9人が入所していますが、電話などでの連絡が取れない状態が続いているということです。また奄美市役所の住用総合支所も、1階が水につかっているために職員は2階に避難していて、支所の周りでは、たまった水に車が浮いているということです。