南米・チリの鉱山の落盤事故で、地下に閉じ込められた作業員を救出するため用意されたカプセルが、事故現場の近くで一般に公開され、市民の人気を集めています。
南米・チリの鉱山の落盤事故では、33人の作業員を地下700メートルから地上に引き上げるため、伝説の不死鳥にちなんで「フェニックス」と名付けた3つのカプセルが用意されました。このうち1つのカプセルが、事故現場からおよそ50キロ離れたコピアポ市内の広場で19日から公開され、救出作戦の陣頭指揮を執ったゴルボルネ鉱業相も出席して式典が開かれました。高さ4メートルのカプセルがクレーンでつり上げられると、集まった市民から大きな歓声や拍手が沸き起こり、人々が次々にカプセルの前で記念撮影をするなど人気を集めていました。3つのカプセルのうち、実際に救出に使われたカプセルは、首都サンティアゴの大統領府前に展示されており、残る1つは、近く中国の上海万博で展示されるということです。一方チリ政府は、救出された作業員に対して経済的な支援を行う方針ですが、式典の会場では、同じ鉱山で働いていて職を失ったほかの作業員も、支援を求めてゴルボルネ鉱業相に詰め寄る場面も見られ、救出作戦が終わったあとも、チリ政府は難しい対応を迫られています。