アフガニスタンの選挙管理委員会は、先月投票が行われた総選挙で、不正が行われた疑いがあるとして、全体のおよそ4分の1に当たる130万票を無効とすると発表し、選挙の正当性をめぐって、さらに混乱が起きるおそれも出ています。
アフガニスタンでは、先月18日、249人の下院議員を選ぶ総選挙の投票が行われ、選挙管理委員会は、20日、暫定の開票結果を発表しました。それによりますと、投票総数560万票のうち、およそ4分の1に当たる130万票については、不正が行われた疑いがあるとして「無効」と判断されました。選挙管理委員会は、候補者のほぼ10人に1人に当たる224人が不正にかかわった疑いがあることも明らかにし、この問題を、選挙の不正を調査する専門委員会に報告したということです。今回の選挙は、アメリカ軍の撤退開始を来年7月に控えて、自立への重要なステップと位置づけられていましたが、投票用紙そのものが偽造されたり、有権者の登録証を偽造して投票が行われたりしたなどと、数多くの不正が、早くから伝えられていました。選挙管理委員会は、それでも「選挙は成功だった」として、最終的な選挙結果を来月にも発表する方針ですが、カルザイ大統領が再選された去年8月の大統領選挙に続いて、再び選挙の正当性が問われ、さらに混乱が広がるおそれも出ています。