南米チリの鉱山の落盤事故で、チリの検察は、救出された作業員から事故の前の状況を聞くなどして、鉱山を運営する会社側の安全対策に問題がなかったかどうか捜査を始めたことを明らかにしました。
チリの鉱山で起きた落盤事故では、閉じ込められていた33人の作業員全員が今月13日、69日ぶりに無事救出されましたが、会社側の安全対策が不十分だったのではないかという指摘も出ています。これについてチリの検察当局は20日、記者団に対し、会社側の安全対策に過失がなかったかどうか調べるため、作業員のリーダー役の1人で最後に救出されたルイス・ウルスアさんなど2人から事故前後の状況について話を聞いたことを明らかにしました。検察は、今後、救出された作業員全員から話を聞くほか、以前、この鉱山で働いていた作業員からも聞き取りを行い、会社側の安全対策について詳しく調べるとしています。地元メディアによりますと、閉じ込められた作業員の一部が事故の直前に大きな音を聞いて異変を感じ、地上に出たいと訴えたにもかかわらず、認められなかったと主張していますが、会社側はこれを否定しています。また、作業員の家族の一部が、すでに会社側に対して損害賠償を求める訴えを起こしているほか、議会からも責任を追及する声が上がっており、この鉱山の安全対策に批判が高まっています。