26日夜、インドネシア・ジャワ島中部にある活火山が噴火したことについて、火山が専門で、現在インドネシアに滞在している京都大学の井口正人准教授は「今回の噴火は1990年代以降では最大規模とみられ、しばらくは火砕流に注意が必要だ」と話しています。
インドネシアのムラピ山は、数年に一度の間隔で噴火が繰り返し起きている活動が活発な火山で、噴火によって山頂に出来た溶岩ドームが崩壊すると火砕流が発生します。井口准教授によりますと、ムラピ山では先月以降火山性の地震が増加し、今月21日から24日にかけては、1日当たり平均で50センチ近い急激な地盤の膨張が確認され、噴火の危険性が高まっていました。また火砕流が流れ下った距離は、過去20年間の噴火では山頂から4キロないし6キロ程度だったのに対して、今回の噴火では7、8キロに及ぶとみられ、1990年以降では最も規模が大きい噴火とみられるということです。井口准教授は「噴火の規模が大きく、溶岩ドームを押し上げる力が強かったため、火砕流がより遠くまで流れたと考えられる。13年前の1997年1月には、噴火の3日後に再び大きな爆発が起きて火砕流が発生したことがあり、しばらくは火山活動に注意が必要だ」と話しています。