先週半ばからコレラの感染が広がっているカリブ海の島国ハイチでは、これまでに死者が300人を超えたほか、4700人余りが手当てを受けており、国連などは依然、事態収拾のめどは立っていないとして、治療や予防対策に追われています。
ハイチでは、先週半ばから、北部を流れる国内最大のアルティボニット川の流域を中心にコレラの感染拡大が続いており、国連によりますと、29日までに少なくとも330人が死亡したほか、4700人余りの患者が病院などで手当てを受けています。この川の下流にある町、サンマルクでは、増える患者に今ある病院だけでは対応しきれず、国際NGOなどが急ごしらえの施設で治療に追われているということです。ハイチは、20万人以上が犠牲となったことし1月の地震以降、首都ポルトープランスを中心に、今も130万人に及ぶ被災者が劣悪な衛生状態のなか、路上や仮設テントでの生活を続けています。国連では、コレラの感染拡大について、依然、事態収拾のめどは立っておらず、避難民への集団感染を防止する必要があるとして、せっけんを配布して手洗いを呼びかけるなど対策を進めています。