そのドキュメント番組は、世界で最初に水没するといわれる南太平洋の島ツバルと、石炭採掘にわく工業都市・中国の重慶、そして急騰する石油に活況を呈する金融の中心地・ニューヨークの3箇所を同じ時間軸で結んで、対比させながら取り上げた作品だった。3つの地域は一見関係ないようでいて、それぞれの場所で暮らす人々は「地球温暖化」というキーワードで複雑に絡み合っている。私はこの生々しい映像を通して見る3箇所の対照的な姿に、息をのんで見入ってしまった。
1、筆者がそのドキュメント番組を「息をのんで見入った」のはどうしてか。
①「地球温暖化」が世界に及ぼす深刻な影響を教えてくれる作品だったから。
②「地球温暖化」をめぐる明と暗がくっきりと浮き上がる作品だったから。
③「地球温暖化」をめぐる途上国と先進国の対立の構造がわかる作品だったから。
④世界の三つの地域の今を、同じ時間軸で結んだ珍しい作品だったから。