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NR(ノーリターン)47
日期:2018-09-30 08:50  点击:317
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 曲がり角では、ひと呼吸おくの。それで、間合いをはかって、そっとのぞいてみる。さっきは、振り返られた気がしたんで、思わず顔ひっこめちゃった。
 何してるのかって? 尾行に決まってます。もちろん、眉子叔母さんの。だって、他に手を思いつかないんだもの。
 いざ、やってみると、適当な距離をとるのがとても難しいの。近かったら絶対バレるし、あまり間があると見失いそうだし。
 今日は、朝からいい天気だった。叔母さんも、ご機嫌。
「夕食までには帰るわ。あなたも、お昼、適当に食べるでしょ。百ユーロするような、ここのルームサービスはおすすめじゃないけど」
 この世の中で生活していくのに、俺もずいぶん慣れてきた。ひとりでほうっておけるって、叔母さんも思うようになったんだろうね。このごろは、結構、別々に行動してる。
 だけど、朝から一日出かけるって言われたら、気になるじゃない。わけのわからない店長の目撃情報があったんだから。
 玄関で叔母さんのこと見送ったあと、俺も急いで仕度して外に出た。
 で、いざ尾行を始めたところ、眉子叔母さんたら、用事があるのか、ないのか。
 花屋の店先で立ち止まったり。小さな町の本屋にはいったと思ったら、三十分ぐらい出てこない。
 ただ、ぶらぶらしてるようにしか見えないの。こういう尾行はマフィアのみなさんでもしんどいんじゃない?
 公園のベンチにすわって買った本読み出したときには、俺、なんでこんなことしてるんだろうって思ったね。だって、公衆便所の陰から叔母さんのことじっと見張ってなきゃならない。
 クサイだけじゃなくて、脇の道歩いてきたオッサンに、思いっきり不審そうな顔されちゃったぜえ。
 ひとがあまりいない午前中の公園。
 俺の視線の先には、ミニスカートの脚を組む眉子叔母さん。光を浴びながらページをめくってる姿は、雑誌のグラビアみたいで、なかなかいいのよ。
 これって、尾行っていうより、ほとんどストーカー?
 
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