遠野物語拾遺103
日期:2019-08-26 13:55 点击:251
一〇三 同村字山口の火石の高室勘之助という老人が中年に、浜歩きを業としていた頃のことである。ある日大槌浜から魚を運んで帰る途中、山《やま》落《おとし》場《ば》という沢の上まで来て下を見ると、谷間のわずかの平《たいら》に一面に菰莚《むしろ》を敷き拡げて干してあった。不思議に思って、馬を嶺に立たせておいて降りて行って見たが、もう何者か取り片づけた後で、一枚もなかったという。この老人は明治の末に八十三で死んだ。これはその孫に当たる者から聞いた話である。


