遠野物語拾遺120
日期:2019-08-26 14:06 点击:284
一二〇 今は遠野町に住む政吉爺という土淵村の猟師が三十五、六の頃、琴畑の奥の小《こ》厚《あつ》楽《らく》というガロダチで、岩の上に登ってシカオキを吹いていると、不意に後から何ものかに突き飛ばされた。しばらくは呼吸が止まり、そのまま身動きもできずに倒れていたが、ようやく這って皆のいる小屋まで帰ることができた。その時老人の話に、猟人はたびたびそんなことに出逢うものだ。必ず人に語るものではないとかたく戒められたということである。この辺は昔から山男や山女の通り道といわれている処である。


