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糸井重里の萬流コピー塾108
日期:2019-11-08 19:56  点击:304
 「ここ」の店のを作れ
 
・山田丹生『焼きたてで、ぎざぎざのパン切りナイフさえまだ刃がたたぬふくよかなパンを抱きしめてママが帰ってきた』(梅) ちっともコピーになっていないが、「ふくよかな」の使い方がうまかった。神戸の「エフ」という店らしい。
・塩野豊『いつだって、そこに行けばケンカができる』(梅) 他の人にも言えることだが、こういう場合、「そこ」ではなくて「ここ」、「行けば」じゃなくて「来れば」と書く。そうでなきゃ広告にならないじゃないか。
・城田瑞枝『痛快! トイレ鏡張り!』(梅) 青学の近所に、あるらしい。下半身を映すのはいかがなものか、と、城田君は言っておる。
「そうでございましょう」
・乾みさこ『「青べか物語」のむかしから、「ディズニーランド」の今日まで、笑顔で、がんばってきました』(梅) むろん、浦安駅前。喫茶「水車」。
番外で、こういう|通信《ヽヽ》もあった。
・長浜要悟『私の島には最近オープンしたスナック喫茶“入船”というのが一軒あるきりですが、その店のママは出戻りのくせに若くてスタイルも良くてチチも大きくて美人で、島中の男がパーになっとります』。特別に(梅)をやる。
こんなところが、実在もの。
では一般の優秀作を。
・越馬正治『表向きは、喫茶店です』(梅) なんだか、行ってみたくなる。
・谷川道雄『落着けます。客はいません』(梅) うむ。
・吉沢岩男『えらそうにしてるわりにゃあ だれでも入れる店』(梅) 多いんだよね、これって。
・宮崎茂『新しい家内がきました』(竹) なんとなく行っちゃう。
・大橋純子『この町のニオイ袋』(梅) きれいに決まったね。
・黒木悟『モーニングサービスはガラス越しの女子校生の群れ』(梅) 通だねぇ、この人。
・前田益尚『歌舞伎町でウェイトレスがパンツをはいているのはココだけ!!』(竹) これはこれで、たしかに売り物ですよね。
・森田征『町内サミット会場』(梅) ご近所もののなかから。
・渡辺真理子『ウチのサラダは近所の畑から持ってくる』(梅) これは広告になる。
・高山普慶『マメ お見せ致します』(竹) おっと、もう少しで(松)をくっつけそうになっちまったい。
・松永光弘『娘はしばらくは嫁にやりません。店主』(梅) 多かった「看板娘もの」のうちから、ひとつ。
・平良誠『AT HOMEな三ちゃん喫茶店です』(梅)
・山口正人『あの店には、ルドルフ殿下とゴーダ伯爵のサイン色紙がある』(梅) 「あの」が、「うちの」になってたら(竹)だったんだけどねぇ。
・吉田泰清『自動ドアが外からしか開かないゴキブリホイホイ喫茶を私は知っている』(毒) こんなので宣伝になるか?!
・奈岡九介『ババァ笑うな』(梅) これを貼り出したら、絶対に客が増えると思う。好きだ。
・村川幸子『急募 もう一名美人女子大生(このふだをはずすと、どっと客がくるのです)』(梅) すごい深慮遠謀。
・若林建『ゴキブリはクモが退治しました』(梅) コワイ。
・北川裕行『すでに一〇〇組のカップルを破滅に導きました』(梅)+(毒) 深みのある作だ。
・重兼芳子『お尻が洗えるトイレ付き』(梅) まったくの実用向き。あっ、この塾生、ブンガク関係の人だ!
津寺利嗣雄里『宅急便もやってるぞ』(梅) 名取も実用もので入っているな。
小林井秀雄『そのマスターは、頭突きでコーヒーを沸かす』(毒) 久々の小林井の(毒)。
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