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糸井重里の萬流コピー塾111
日期:2019-11-08 19:58  点击:307
 常識から二段階飛ぶ

 とにかく、「マルクス全集」のコピー、順に見ていこう。
はなからこういう塾生もいる。困ったものだが、面白かったので。
・山崎節郎『難しいので次』(梅) しかし、こればっかりじゃ稽古にならない。
・笠原教『さて、寝るとすっか。かあちゃん、読んでくれ』(梅)
・尾山望『とにかく買え、読んだことにしてやる』(梅)
・三好妙『どや、にいちゃん、誰も持ってへんで』(梅)
・江原伸行『好きな人はまた格別ですからなぁ、これは。ワッハッハッ』(竹)
と、このあたりを続けて読むと、『枕を高くして寝たい方に』とか、『漬物の|重石《おもし》はこれが一番』などというものを提出した塾生は、「むむっ、俺のは落ちたな」と納得しかかる。
・井上透『あのう、私、あれの日に読むと、とっても量が少なくてすむんです』(梅) などというオカルティックなのが出てくると、『早漏がなおる』などがあまりに常識的に見えてくる。
常識的なのが悪いとは言わぬが、要するに「そーゆー手の冗談」は、しょっちゅう聞いてるだろ。だから弱いのだ。
それに比べると、次のような無政府主義者たちのインボーかと思われるようなコピーのほうが、ずっと出来がよい。
・木村立哉『未発表原稿「マルクスの少女ハイジ」含む』(梅)
・植田覚『はがきに「マス全集送れ」と書いてお送り下さい。サイズは必ず書いて下さい』(梅) 植田君のは、『サイズをお忘れなく』と、軽くマトメたほうが力強い。
・滝口文一『機動戦士マルクス』(竹)
・松島宏『マルクス一万弱』(梅)
少し理屈を言う。
今回の宿題に関しては、ほとんどの塾生諸君が同じコンセプトを立てて考えていた。
つまりそれは「私(それぞれの作者)には難しくてよくわからない。だから縁がない。そして、縁がなくてもまったくかまわないと思っている」といったようなことだったと思う。
あとは、そのことをどう表現に結びつけるかである。これを、『漬物の重石に』とか『睡眠薬がわりに』とか書いた人々は、コンセプトが出来た段階からその次の飛躍ができていないのである。
『機動戦士マルクス』も、やはり言いたいことは同じだ。しかし、これには|新しい《ヽヽヽ》顔があるのだ。新しい顔でパッと目をひいて、コンセプトを一気にのみこませる。
テーマにばかり気をとられている諸君には「単なるゴロあわせ」としか思えぬであろうが、その単なるゴロあわせがツボにはまると、たいしたパワーを持つものなのである。
これが、名取クラスになるとさらにもうひとひねり加えたりする。そのひとひねりのおかげで大爆発はしにくくなるのだが、確実に点をもらう実力とは、こういうものなのだ。
津寺利嗣雄里『告白手記「夫の目を盗んでマルキシズムに溺れた私」』(梅)
『とにかくガンジーは腹がへる。マルクスにしなさい』(竹)
小林井秀雄『アフター・マルクスは、やさしくね!』(梅) 小林井、苦手の課題によくついてきた。
山口井正明『労働者諸君!! 買う権利を行使せよ』(梅) 山口井名取のものは、また別の角度から書いているが、批評と宣伝が一緒になっていて、さすがである。
もっと楽々と、こういうのでも点はもらえる。
・早瀬民子『右や左のダンナ様ぁー』(梅)
・平井謙男『マルクスは吉野家より20年早く生まれた』(梅)
・佐々木英悦『御引出物の大革命』(梅) そりゃたしかに革命ではあろうな。
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