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糸井重里の萬流コピー塾118
日期:2019-11-08 20:03  点击:429
 宗薫先生、破門さる

「禁煙をすすめるコピーが、宿題でございました。私の『オエッ』という作があまりにうまくできましたもので、塾生の皆さん、それに負けじとずいぶん張り切ったようでございます」
この分だと、ハガキが「萬」の数に至ることも有り得ないことではないな。
「いやでございますね。私、たまには家に帰って愚妻や豚児の顔も見とうございます。ハガキばっかし見てるんだもん」
|痴《し》れ者め! ハガキあっての萬流ではないか。愚や豚に会いたかったら、その愚や豚を郵便で送らせなさい。都内なら一日で着く。
「ハハァ、萬心を忘れた私が悪うございました」
悪いとは言わないけれど、手が臭いな。えー、それはともかく、禁煙というのは難しいものである。
「おォ!」
こぶしを振りあげるナって。今回多かったのは、「愛でタバコをやめさせる」というコンセプトが第一位。『私のためにやめて』といったやつで、これで成功した実例が多いそうだ。
「そうですね」
だが、|愛より強い《ヽヽヽヽヽ》タバコを喫っているやつはやめられないのだ。
何だ、その目は。
次に多かったのが、『大人になったらやめよう』というもの。これは既に常識的なコピーになってしまったので、点はやりにくい。最初にレオナルド熊が言った時は面白かったけどね。
禁煙するとお金がたまるというのも多数。これには選ぶべきものがあったな。
・中川宗樹『タバコをやめてグアムヘ行こう』(梅) 一年にマイルドセブン360箱と計算すると、73000円。具体的なのがよかった。しかし……、
・鈴木鳴彦『喫煙で死んだためしは少ない。禁煙で金を貯めた話も少ない』(毒) こっちのほうが真実に近いようにも思う。この人、六十歳。総じて老塾生は、禁煙を明るくあきらめている人が多かった。
・川上宗薫『みんなで喫えばこわくないってば』 何を考えておるのだ。久々に(破門)を申しつける。
・藤谷信夫『煙草を吸わぬ御陰で、父は倒れてからも、寝たっきりでもう二十年余り生きております』(毒) この人も、六十一歳。喫えとすすめてるとしか思えないだろ。
・竹内卓二『飲む打つ買ってもタバコは吸うな』(毒) これも、六十五歳の人。喫煙ひとつが、他の道楽みっつ分だってんだから、つい喫いたくなっちゃうよ。
これは、キツイよ。
・西之入俊哉『タバコなんか喫ってるから「|来年《ヽヽ》二月下旬に単行本になる」の間違いに気づかないのだ』(梅) 番頭さんッ!
「はい。萬流コピー塾の単行本は、|今年《ヽヽ》の三月に発売と、あらためて訂正するでございます。それもこれも、タバコのせいでございます」
こらこら、また手をひらひらさせるッ。臭いってば。
では、アフォリズム風。
・熊谷良『結局、私の人生は一本の煙管なのだろうか』(梅) そうかもしれないが、ちがうような気も、すぐにしてくる。
・草川康之『|警察《サツ》で出す、|草煙《ヤニ》一本で、|親分《オヤ》不孝(極道歌留多より)』(梅) まぁいいけど、注釈やルビが多すぎる。
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