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糸井重里の萬流コピー塾122
日期:2019-11-09 19:30  点击:314
 特別講義 日米関係論序説

 じつは、このあいだ、「日本と米国が関係をするのは何のためだと思われますか。どんなことでも結構ですから、その理由をお書きください」、というアンケートを、日米両国民を対象にして、集計してみたのである。
その結果、回答者の9割近くが、
「娯楽のため」「本能によるもの」「欲望のおもむくまま」「排泄欲の満足」「種族保存」「子供のため」「愛の確認」
といった意見を寄せてくれた。
こうした答えは、大雑把にいって、つぎの3つに分類できる。
関係をするのは、ようするに、「楽しいから、ついしてしまうのである」、というもの。
関係をするのは、つまり、「愛情の証しであり、日米間の絆をさらに強めるためである」、というもの。
関係をするのは、との両方である、というもの。
そして、日米両国民の回答のなかでの占める割合は、つぎのとおりであった

日本 26・7% 25・8% 47・5%
米国 39・8% 21・3% 38・9%
 ここでは、日本と米国が関係をすることは両国間の愛情の証しだと考えない人は、日本人より米国人のほうにやや多く、愛がなくとも関係はできるという考えかたが、一般的にいって、日本より米国に広く流行していることと関連して、もっと注目される必要があるだろう。
そして、このなかで、関係をすることは「本能によるものである」と答えた人は、
日本 12・4%
米国 13・4%
であった。
もっとも、関係をすることは「排泄欲の満足」のため|だけ《ヽヽ》だ、と答えた米国人は1・2%しかおらず、残りは、「生理的な快感と種族保存のため」だとか、「子孫繁栄と商売繁盛と排泄欲の満足」であるという風に、他の何らかの理由と結びつけて答えている。
一方の日本人の場合も、「子孫繁栄と娯楽のため」だとか、「子供のためと欲求不満解消のため」という具合に、やはり他の目的と結びつけているのが普通であるが、「欲望のおもむくまま」とか「とにかくやればいい」と答えた人が3・8%もいたのは、大いに気になるところである。
欲望がおもむくままに、とにかくやればいいという姿勢で日米関係を続けていったら、この先どんなことになってしまうのだろうか。現に、「欲望のみ。愛情なんて糞くらえ!」とか、「将来の展望はない。私の場合は、ただやってやってやりまくるのみ。リメンバー・ノー・モア・パール・ヒロシマ・ハーバー」などとまるでわけのわからない回答をした人もあるのだ。いったい、こんなことで本当にいいのだろうか、と背筋が寒くなり、風邪をひいていたことに気がつくという、笑えない一幕もあったのであった。
いや、失礼。先を続けるとしよう。
関係をすることは「愛情の証し」だと答えた人や、「愛の確認と娯楽の両方のため」だと答えた人のなかにも、|植民地《ヽヽヽ》を作ることを目的にあげた人が何人かいる。植民地を作るということがどういうことなのかを、こうした回答者がはっきり認識しているのかどうかということになると、それははなはだ疑わしいといった気がしないでもないが、とにかく一時の気まぐれにせよ、何にせよ、植民地問題もからめて関係することを目的にあげた人の数は、米国人14・5%、日本人14・4%であった。
そして、関係することを「娯楽のため」だと明確に断言した人は、米国人4・4%、日本人3・5%で、日本人のほうが数は少ないが、本来的にいえば、日本人のほうがはるかに自堕落でだらしのない快楽主義的な国民であるはずだから、これはたぶん、回答者が嘘をついているか、マジメに答えようとしていないかのどちらかであろうと思われる。こうした点がこの種のアンケートにはいつもつきまとう厄介な問題である、といっていえないことはないのだが、いまさらそんなことをいっても、もう遅い。
そんなわけで、つぎに、こうしたアンケートにつきもののお楽しみのコーナーにいってみたいと思う。
じつは、アンケートの欄外に「ナマの声をお聞かせ下さい」という要望をつけ加えておいた。
そして、つぎのような「ナマの声」が寄せられたわけである。
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