ドンチューノー? 私が家元の糸井重里である。郷ひろみではない。沢田研二でもない。ヤックンでもフックンでもモックンでも泉重千代でも是川銀蔵でもなければマイケル・ジャクソンでもなく、もちろんアダチ竜光でもない。
「家元、家元ッ!」
で霧のとんべぇでもヘーゲルでも浅田彰でも石井関男でもなく、当然高橋春男でもないのであって、ミヤコ蝶々であるということも、その……。
「家元、いくら先週号で私がたくさんしゃべったからといって、そんなに誌面をむだにするような長ゼリフを言わなくってもよろしいではございませんか」
いや、悪かった悪かった。はじめに郷ひろみではない、と言い出したらつい勢いがついてしまってな。
「それにしても、私、わからないお名前がいくつかございました。後ほどお教えいただけませんでございましょうか」
いいともォ! 読んでいる塾生から問い合わせなんかが来た時に番頭が知らないと困るからな。私が恥ずかしい。
「白石勝ッ! 雨宮秀樹ッ! 明円一郎ッ!」
ええい、意地を張るのはやめなさい。そんなことを言うなら名女川勝彦などといういやらしい名前を出しちゃうぞ。
「二人だけでこんな夜更けにふざけていても読者に嫌われるだけでございます。お稽古にいたしましょう」
それもそうである。