再び重右衛門日記
六月十八日
再び鰹《かつお》来たり、一同勢いつく。一人利七のみ泣き喚《わめ》くなり。おばば、おばばと言うは、祖母のことならむか。明るき男なりしに、かく気が狂わんとは。人の心は計り難し。岩松の奨《すす》めにて、刺身と共に腹わたを充分に食す。魚の腹わたは野菜の代わりと岩松言いたればなり。終日、魚を煮る臭い水主《かこ》部屋に漂う。不図《ふと》部屋|隅《すみ》に妻のお紋いるが如き思いす。
海嶺78
日期:2020-02-28 13:12 点击:259


