再び重右衛門日記
八月十五日
一日|曇天《どんてん》。風穏やかなり。
朝より皆々小野浦のことを言い出ず。今日は八幡社の祭りなればなり。久吉言う。三年前の今日、御蔭参《おかげまい》りより小野浦に帰り着きたりと。彼《か》の日の如く、如何《いか》にもして故里に帰り着きたしと。一同打ち沈みて答える者なし。やがて岩松言う。必ず帰るべし。心を強く持ちて、必ず必ず帰るべしと。その言葉に一同声を上げて泣きたり。
海嶺90
日期:2020-02-28 13:17 点击:319


