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海底魔术师-船舱里的尸骨(1)
日期:2021-09-08 23:51  点击:280

船室のがい骨


 小林少年は、このできごとを、無電で東京の警視庁に知らせ、そこから明智探偵事務所へ伝えてもらいました。
 それからは、べつだんのできごともなく、ハヤブサ丸は潮ノ岬の沖につきました。宮田さんの手にいれた海図には、大洋丸の沈んだ位置の緯度と経度が、ちゃんとしるしてありますから、その位置の海底を、水中探測機でさぐればよいのです。
 水中探測機というのは、船から超短波を発して、それが海底にぶつかって、もどってくる時間がグラフになって、紙のうえにあらわれるようになっている機械です。そのグラフの曲線で、海の深さがわかるのですが、もし沈没船があれば、そこだけ、きゅうにふくらんだ線になってあらわれるので、それとさっしがつくわけです。
 ハヤブサ丸は、海図にしるしてある海面を、行ったり来たりして、くりかえし水中探測機のグラフをしらべました。そして、その曲線のふくらみが、海底の岩やなんかでなくて、沈没船にちがいないことをたしかめたのです。
 海面から沈没船の上部までは、わずかに三十メートルほどでした。これなら、金塊だけでなく、大洋丸そのものも、引きあげることができるかもしれません。大洋丸の船長が、正しい沈没の位置をかくしていたばっかりに、貴重な金塊や鉄材が、二十年も海底にねむっていたのです。
 沈没船の位置がわかると、いよいよ、潜水夫をもぐらせてみることになりました。金塊が、大洋丸のどこにつんであったかは、船長の遺言書にも書いてありませんので、それをさがすだけでも、たいへんです。ですから、すぐに金塊を引きあげるわけではなく、まずその沈没船が、はたして大洋丸かどうかを、しらべるための潜水です。
 その日は、空が青々とはれわたった、よい天気で、風もなく、波もなく、潜水にはもってこいの日よりでした。
 サルベージ会社の人たちは、ふたりのくっきょうな潜水夫を、えらび出して、ゴムの潜水服をきせ、真鍮(しんちゅう)の潜水カブトをかぶせてやり、カブトの中へ空気をおくる、送気エンジンのよういをしました。
 ふたりの潜水夫は、ハヤブサ丸の外がわにとりつけてある、直立の鉄ばしごをおりて、タコのおばけのような丸い頭をふりながら、いのち綱とゴムホースのような送気管と、それにまきついている電話線を引きずるようにして、つめたい水の中へ、はいっていきました。
 船の上では、船長や汽船会社の人たちや、この引きあげ作業の団長である宮田さんなどにまじって、賢吉少年と、小林少年とが、海中に異様な姿を沈めていく潜水夫たちを、じっと、見まもっていました。
 ふたりの潜水夫は、右手には、なにかをこじあけるための鉄棒のようなものを持ち、左手には、暗い沈没船の中をてらすための、水中電灯をさげていました。
 潜水夫たちは、足のうらにつけた、大きなナマリのおもりや、胸にさげたナマリのおもりの力で、ぐんぐん水の中を沈んでいきます。沈むにつれて、下の方から巨大な船体が見えてきました。二十年もたっているので、水の中のゴミがつもり、そこから海草がはえ、また貝がらが、いっぱいついていて、鉄の船というよりは、海の底の大きな岩山のように見えるのでした。船体は三十度ぐらいによこにかしいで沈んでいました。甲板がきゅうな坂のように、かたむいているのです。ふたりの潜水夫がおりたのは、沈没船の船首に近いところでした。かれらは船首の外がわにたどりついて鉄棒で貝がらなどを、けずりとり、水中電灯をふりてらして、船の名が書いてある場所をさがしました。そして、なんなく、それが大洋丸にちがいないことを、たしかめたのでした。
 それから、ふたりは、かたむいた甲板をよじのぼるようにして、ハッチ(甲板から船の中へおりる出入り口)をさがしました。それも、じき見つかったので、ふたりはそこから、せまい階段をおりて、下の船室へはいっていきました。その鉄の階段にも、いちめんに、貝がらがくっついているので、まるで岩のほら穴の中へでも、はいっていくようなかんじです。

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