行业分类
少年侦探团-被诅咒的宝石(1)
日期:2021-09-17 23:58  点击:331

のろいの宝石


 さて、門の前に遊んでいた女の子がさらわれた、その夜のことです。篠崎始君のおとうさまは、ひじょうに心配そうなごようすで、顔色も青ざめて、おかあさまと始君とを、ソッと、奥の座敷へお呼びになりました。
 始君は、おとうさまの、こんなうちしずまれたごようすを、あとにも先にも見たことがありませんでした。
「いったい、どうなすったのだろう。なにごとがおこったのだろう。」
 と、おかあさまも始君も、気がかりで胸がドキドキするほどでした。
 おとうさまは座敷の(とこ)の間の前に、腕組みをしてすわっておいでになります。その床の間には、いつも花びんのおいてある紫檀(したん)の台の上に、今夜はみょうなものがおいてあるのです。
 内がわを紫色のビロードではりつめた四角な箱の中に、おそろしいほどピカピカ光る、直径一センチほどの玉がはいっています。
 始君は、こんな美しい宝石が、おうちにあることを、今まで少しも知りませんでした。
「わたしはまだ、おまえたちに、この宝石にまつわる、おそろしいのろいの話をしたことがなかったね。わたしは、そんな話を信じていなかった。つまらない話を聞かせて、おまえたちを心配させることはないと思って、きょうまでだまっていたのだ。
 けれども、もう、おまえたちにかくしておくことができなくなった。ゆうべからの少女誘かいさわぎは、どうもただごとではないように思う。わたしたちは、用心しなければならぬのだ。」
 おとうさまは、うちしずんだ声で、何かひじょうに重大なことを、お話になろうとするようすでした。
「では、この宝石と、ゆうべからの事件とのあいだに、何か関係があるとでもおっしゃるのでございますか。」
 おかあさまも、おとうさまと同じように青ざめてしまって、息を殺すようにしておたずねになりました。
「そうだよ。この宝石には、おそろしいのろいがつきまとっているのだ。その話がでたらめでないことがわかってきたのだ。
 おまえも知っているように、この宝石は、一昨年、中国へ行った時、上海(シャンハイ)である外国人から買いとったものだが、その値段がひどくやすかった。時価の十分の一にもたらない、五万七千円という値段であった。
 わたしは、たいへんなほりだしものをしたと思って、喜んでいたのだが、あとになって、別のある外国人がソッとわたしに教えてくれたところによると、この石には、みょうないんねん話があって、その事情を知っているものは、だれも買おうとしないものだったから、それで、こんなやすい値段で、手ばなすことになったのだろうというのだ。
 そのいんねん話というのはね……。」
 おとうさまは、ちょっとことばを切って、ふたりにもっとそばへよるようにと、手まねきをなさいました。
小语种学习网  |  本站导航  |  英语学习  |  网页版
10/04 01:27
首页 刷新 顶部