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少年侦探团-少年搜查队(1)
日期:2021-09-17 23:58  点击:326

少年捜索隊


 ちょうどそのころ、篠崎君のおうちの近くの、養源寺の門前を、六人の小学校上級生が、何か話しながら歩いていました。
 先頭に立っているのは、篠崎君の親友の、よくふとった桂正一君です。桂君は、学校で篠崎君からこんどの事件のことを聞いたものですから、まず、いとこの羽柴壮二君に電話をかけ、羽柴君から少年探偵団員に伝えてもらって、一同、桂君のところに勢ぞろいをしたうえ、篠崎家を訪問することになったのです。団員のうち三人は、さしつかえがあって、集まったのは六人だけでした。
 少年探偵団員たちは、仲間のうちに何か不幸があれば、かならず助けあう、というかたい約束をむすんでいました。いま、団員篠崎始君のおうちは、おそろしい悪魔におそわれています。しかも、それが、このあいだから、東京中をさわがせている「黒い怪物」なのですから、少年探偵団は、もう、じっとしているわけにはいきませんでした。ことに彼らの団長の小林少年が、篠崎君の()いにおうじて、出動したことがわかっているものですから、一同、いよいよ勇みたったのです。「黒い怪物」は、ぜひ、われわれの手でとらえて、少年探偵団の手なみを見せようではないかと、団員は、もう、はりきっているのです。
 桂正一君は、養源寺の門前まで来ると、そこに立ちどまって、いつかの晩の冒険について、一同に語りきかせました。読者諸君は、そのとき、黒い怪物が養源寺の墓地の中で、消えうせるように姿をかくしてしまったことを記憶されるでしょう。
「ほんとうにかき消すように見えなくなってしまったんだよ。ぼくは、お化けなんか信じないけれど、墓地の中だろう。それにまっくらな夜だろう、さすがのぼくもゾーッとふるえあがって、やにわに逃げだしてしまったのさ。その墓地っていうのは、この本堂の裏手にあるんだよ。」
 桂君はそういいながら、お寺の門内にはいって、本堂の裏手を指さしました。少年たちも桂君といっしょにぞろぞろと門内にはいり、たそがれ時の、ものさびしい境内(けいだい)を、あちこちと見まわしていましたが、最年少の羽柴壮二君が、何を発見したのか、びっくりしたように、桂君の腕をとらえました。
「正一君、あれ、あれ、あすこを見たまえ。なんだかいるぜ。」
 ほとんどふるえ声になって、壮二君が指さすところを見ますと、いかにも、門の横のいけがきのそばの低い樹木のしげみの中に、何かモコモコとうごめいているものがあります。それが、どうやら人間の足らしいのです。人間の足が、しげみの中からニューッとあらわれて、まるでいも虫みたいに、動いているのです。
 一同それに気づくと、いくら探偵団などといばっていても、やっぱり子どものことですから、ゾッとして立ちすくんでしまいました。おたがいに顔見あわせて、今にも逃げだしそうなようすです。
 むりもありません。物の姿のおぼろに見える夕暮れ時、さびしいお寺の境内で、しかも桂君の怪談を聞かされたばかりのところへ、うす暗いしげみの間から、ふいに人間の足があらわれたのですからね。おとなだって、おびえないではいられなかったでしょう。
「よし、ぼくが見とどけてやろう。」
 さすがに相撲の選手です。桂正一君は、おびえる一同を、その場に残して、ただひとり、しげみのほうへ近づいていきました。
「だれだっ。そこにかくれているのは、だれだっ。」
 大声でどなってみても、相手は少しも返事をしません。といって逃げだすわけでもなく、いも虫のような足が、ますますはげしく動くばかりです。
 桂君は、また二―三歩前進して、しげみのかげをのぞきました。そして、何を見たのか、ギョッとしたように立ちなおりましたが、いきなりうしろをふりむくと、一同を手まねきするのです。
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