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少年侦探团-消失的印度人(4)
日期:2021-09-17 23:58  点击:311
 なわをといてやって、ようすをたずねますと、二階のインド人が、どこからか帰ってきて、いきなりこんなめにあわせたというのです。いや、そればかりではありません。コックのいいますには、インド人は、なんだか小さい子どもをつれて帰ったらしい。そして、その子どもを地下室へほうりこんだのではないかと思う。今しがたまで、かすかに子どもの泣き声が聞こえていたと申すのです。
 ぼくはおどろいて、すぐさま地下室へ行ってみますと、なんということでしょう。地下室はまるでタンクみたいに水がいっぱいになっていて、その中を、この小林君という少年が、小さいお嬢さんをおぶって泳いでいるじゃありませんか。もう力がつきて、今にもおぼれそうなようすです。
 ぼくは、むろんすぐふたりを救いあげましたが、小さいお嬢さんのほうは、ひどく熱をだしているものですから、こうしてベッドに寝かしてあるのです。
 それから、この小林君の話で、いっさいの事情がわかりましたので、ぼくは、お嬢さんのおたくと、警察とへ、電話をかけようとしているところへ、ちょうど、あなた方が、おいでくださったというわけです。」
 聞きおわった中村係長は、ホッとためいきをついて、
「そうでしたか。いや、おかげさまで、ふたりの命を救うことができて、なによりでした……。しかし、インド人は、たしかにいないのでしょうね。じゅうぶんおさがしになりましたか。」
「じゅうぶんさがしたつもりですが、なお念のために、あなた方のお力で捜索していただいたほうがいいと思いますが。」
「では、もう一度しらべてみましょう。」
 そこで係長は裏口へまわしておいたふたりの警官も呼びいれて、五人が手分けをして、おし入れといわず、天井てんじょうといわず、床下までも、残るところもなく捜索しましたが、インド人の姿はどこにも発見されませんでした。
 じつにふしぎというほかはありません。羽柴少年が二階の窓をのぞいてから、警官がつくまでの、わずか二十数分のあいだに、ふたりのインド人は、まるで煙のように消えうせてしまったのです。
 建物の外には、六人の少年探偵団員が、注意ぶかく見はりをしていました。インド人は、どうしてその目をのがれることができたのでしょう。
 いやいや、やつらは神変しんぺんふしぎの魔法使いです。建物の外へ出るまでもなく、あの二階の部屋の中で、何かのじゅ文をとなえながら、スーッと消えうせてしまったのかもしれません。
 読者諸君は、黒い魔物が、養源寺の墓地の中で、それからもう一度は、篠崎家の庭園で、かき消すように姿をかくしてしまったことをご記憶でしょう。こんども、それと同じ奇跡がおこなわれたのです。このふたりのインド人にかぎっては、物理学の原理があてはまらないのかもしれません。
 むろん、中村係長はただちに、このことを警視庁に報告し、東京全都の警察署、派出所にインド人逮捕の手配をしましたが、一日たち二日たっても、怪インド人はどこにも姿をあらわしませんでした。やつらは姿を消したばかりではなく、飛行の術かなんかで、海をわたって、とっくに本国へ帰ってしまったのではないでしょうか。
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