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少年侦探团-屋顶的怪人(3)
日期:2021-09-17 23:58  点击:320
 ところが、あれはみんなうそだったということになるじゃないか。え、探偵さん、きみもとんだやぶへびをしたもんだねえ。
 つまらないせんさくだてをしないで、おれを見のがしておけば、きみはいつまでも英雄でいられたんだぜ。それを、こんなことにしてしまっちゃ、きみの名折(なお)れじゃないか。博物館でとらえたのは、あれは二十面相でもなんでもない、ただのへっぽこの野郎だったということを、世間に広告するようなもんじゃないか。
 ハハハ……、ゆかいゆかい、おれがいったい、あんなへまをする男だとでも思っているのかい。白ひげの博物館長さんが、じつは怪盗二十面相だったなんて、いかにも明智先生ごのみの思いつきだ。つまりおれは、きみのとびつきそうなごちそうをこしらえて、お待ち申していたのさ。
 すると案のじょう、きみはわなにかかってしまった。博物館長に化けていたおれの部下を、二十面相と思いこんでしまった。おれのほうで、そう思いこませるようにしむけたのさ。
 むりもないよ。おれにはきまった顔というものがないんだからね。おれ自身でさえ、ほんとうの自分が、どんな顔なのか、わすれてしまったほどだからねえ。
 だが、博物館の前で、チョコチョコと逃げだして、子どもたちに組みふせられるなんて、二十面相ともあろうものが、あんなへまをするとでも思っていたのかい。あれが二十面相の最後では、ちっとばかりかわいそうというもんだよ。」
 二十面相は、まくしたてるようにしゃべりつづけて、またしても、われるように笑うのでした。
「たいへんな勢いだねえ。だが、昔のことはともかくとして、けっきょく、勝利はぼくのものだったじゃないか。せっかくのインド人の大芝居も、とうとう見やぶられてしまったじゃないか。」
 明智探偵は少しもさわがず、にこにこと微笑しながら答えました。
「インド人の大芝居か。おもしろかったねえ。おれはね、篠崎氏があるところで、宝石のいんねん話をしているのを、すっかり聞いてしまったんだよ。そして、むやみにあの宝石がほしくなったのさ。そこで、宝石を手に入れたうえ、世間をアッといわせてやろうと、あの大芝居を思いついたのだよ。
 インド人が犯人だとすれば、まさか二十面相をうたがうやつはないからね。ただ宝石だけぬすんだのじゃあ、なにしろ金目のものだから、警察の捜索がうるさいのでねえ。
 ところで、きみはおれをどうしようというのだい。たったひとりで、二十面相の本拠へとびこんでくるなんて、少し無謀だったねえ。気のどくだけれど、かえりうちだぜ、きみをもうこの部屋から一歩だって出しゃあしないぜ。」
 二十面相は、追いつめられたけだもののような、ものくるわしい形相(ぎょうそう)で、明智探偵につかみかからんばかりです。
「ハハハ……、おい、二十面相君、ぼくがひとりぼっちかどうか、ちょっとうしろを向いてごらん。」
 探偵のことばに、二十面相はギョッとして、クルッと、うしろの戸口のほうをふりむきました。
 すると、ああ、これはどうでしょう。いつのまにしのびこんだのか、いっぱいにひらかれたドアの外には、おしかさなるようにして、五人の制服警官が、いかめしく立ちはだかっていました。
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