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少年侦探团-妙计(2)
日期:2021-09-19 23:56  点击:264
 支配人は、ほこらしげに、重そうな五つのふろしき包みを指さしてみせました。
「ほう、そいつは手まわしがよかったね。だが、その細工人から賊のほうへもれるようなことは……。」
「大じょうぶ。そこはじゅうぶん念をおして、かたく秘密を守らせることにいたしてあります。」
「それじゃ、ひとつ替え玉というものを見せてもらおうか。」
「よろしゅうございます。しかし、もし家の中に賊のまわし者がおりましてはたいへんでございますから、念には念をいれまして……。」
 支配人はいいながら、立ちあがって、板戸をひらき、外にだれもいないことをたしかめると、げんじゅうに内がわからかぎをかけるのでした。
 そして、主人とふたりがかりで、五つのふろしきをとき、一階ずつに分解された五重の塔をとりだしました。
 見れば、床の間に安置してあるものと寸分(すんぶん)ちがわない五重の塔が、五つにわかれて、さんぜんとかがやいているのです。
「ウーム、よく似せたものだね。これじゃ、わしにも見分けがつかぬくらいだ。」
「でございましょう。外はしんちゅう板で作らせ、それに金めっきをさせました。中身は、重さをつくるために鉛にいたしました。これで、光沢(こうたく)といい、重さといい、ほんものと少しもちがいはいたしません。」
 支配人はとくとくとして申します。
「それで、ほんものを床下(ゆかした)にうずめ、にせもののほうを、床の間に飾っておくという、はかりごとだったね。」
「はい、さようで。そうしますれば、賊は、にせものと知らずにぬすみだし、さぞくやしがることでございましょう。にせものといっても、このとおり重いのでございますから、ぬすみだすせつは、いかなる怪盗でもかけだすことはできません。その弱みにつけこんで、明智さんなり、警察の方なりに、ひっとらえていただこうというわけでございます。」
「ウン、そういけばうまいものだが、はたしてうまくいくものだろうか。」
 大鳥氏は、まだ少しためらいぎみです。
「いや、それはもう大じょうぶでございます。どうかわたくしにおまかせくださいまし。かならず二十面相の裏をかいて、アッといわせてお目にかけます。」
 支配人は、もう怪盗をとらえたような鼻息です。
「よろしい。きみがそれまでに言うなら、いっさいまかせることにしよう。じゃ、ひとつ、そのにせものを、あのわくの中へつみあげてみようじゃないか。」
 主人もやっとなっとくして、それからふたりがかりで、ほんものとにせものをとりかえました。
「おお、りっぱだ。形といい色つやといい、だれがこれをにせものと思うだろう。門野君、こりゃうまくいきそうだね。」
 大鳥氏は、わくの中につみあげられた、にせものの五重の塔をながめて、感じいったようにつぶやきました。この取りかえのさいには、例の赤外線装置をとめて、ピストルが発射しないようにしておいたことは申すまでもありません。
「それじゃ、ほんもののほうを、ふたりで、すぐ床下にうずめることにしようじゃないか。」
 今では、主人の大鳥氏も大のりきです。
 ふたりは、できるだけ物音をたてないように注意しながら、部屋のまんなかの畳をめくり、その下の床板(ゆかいた)をとりはずしました。
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