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宇宙怪人-神奇的飞碟(02)
日期:2021-10-01 23:50  点击:240

 人間というものは、はじめて見たものを、信用しないようにできている。新しい発明でも、おなじことだよ。たとえば、飛行機だね。いまから百年まえには、人間が空を飛べるなんて、夢にも知らなかった。それよりずっとはやく、鳥のように空を飛ぶことを考えた人は、たくさんある。日本の江戸時代にも、じぶんのからだに、大きなはねをしばりつけて、空中飛行をやってみた人がある。しかし、そんな人たちは、きちがいだといわれた。空を飛ぶなんて、バカなことができるものかと、ものわらいになった。
 それがどうだね。いまでは、五十人、六十人という人をのせて、じゆうじざいに空を飛び、二、三日で地球をひとまわりできるほどになってしまった。
 だから、空とぶ円盤だって、バカにしてはいけない。われわれの頭では考えられなくても、もっとべつの世界の人には、わけもないことかもしれないのだからね。」
「べつの世界の人って?」
 平野少年は、ふしぎそうな顔をしてたずねました。
「つまり地球のそとの世界さ。宇宙には地球よりも大きい世界が、かずかぎりなく、あるんだからね。」
「アア、それじゃ、火星ですか。あれは火星から飛んでくるのですか。」
 平野少年の顔が、ポッと赤くなりました。そして、胸がドキドキしてきました。
「火星かもしれない。もっと、ほかの星かもしれない。いずれにしても、宇宙の、どこか、べつの世界から、われわれの地球を偵察にやってくるということは、考えられないことじゃないからね。」
「それじゃ、あの円盤の中には、どこかの星の世界の人間が、はいっているのでしょうか。」
「はいっているかもしれない。いないかもしれない。だれも、はいっていなくても、機械のちからで、偵察できるからね。われわれ地球の人間が発明した、無線操縦飛行機のことを考えてみたまえ。どこかの星の世界には、あれよりもっと進歩した機械があるかもしれない。そうすれば、中に人間がはいっていなくても、じゆうに円盤を飛ばすことができるし、地球のありさまを、写真にとることもできるわけだからね。」
 平野少年は、そんな話をきいていますと、こわいような、たのしいような、なんともいえない、気もちになってくるのでした。
「でも、星の世界の人間って、いったい、どんなかたちをしているでしょうね。火星人はタコみたいなグニャグニャした足が、たくさんある、おそろしい怪物(かいぶつ)ですね。」
「あれはウエルズという、イギリスの小説家が考えだしたものだよ。ほんとうは、どんなかたちだか、だれもしらない。だいいち、火星に、生きものがすんでいるかどうかさえ、わかっていない。だから、円盤を飛ばしているのは、火星とはかぎらないのだよ。もっと遠い、大きな星かもしれない。」
「じゃ、タコよりも、もっとおそろしい、かたちをしているのでしょうか。」
「それはなんともいえないね。グニャグニャしたクラゲみたいなやつかもしれない。それとも、ゴツゴツした機械みたいな、かたちをしているかもしれない。また、ひょっとしたら、あんがい、地球の人間に、似ているかもしれない。」
「こわいなあ、もし、そんなやつに、道で出くわしたらどうしよう。」
「ハハハ……、わからないよ。出くわすかも、わからないよ。あの円盤の中に、星の人間がはいっていて、円盤が、地球のどこかへ着陸したとすればね。」
 北村さんは、そういって、平野少年の顔を、じっとみつめました。
 平野君は、そのとき、ゾーッと、からだが、しびれたようになって、いっしゅんかん目の前がモヤモヤとかすみ、北村のおじさんが、とほうもない怪物のように見えました。
「どうしたんだい、平野君。そんなこわい顔して、ぼくをにらみつけて。」
「いえ、なんでもないんです。もういいんです。」
 それは、むろん気のせいでした。北村さんは、いつものような、やさしい顔でニコニコ笑っているのでした。

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