行业分类
宇宙怪人-银光闪闪的脸庞(01)
日期:2021-10-01 23:50  点击:246

銀仮面


 北村さんは、明智探偵の顔を見つめながら、さらに話しつづけます。
「明智先生、あいつは、なぜ、日本語をならったのでしょう。ひと月もかかって、あんなに熱心に、ぼくたちのことばをならったのでしょう。ああ、おそろしいことです。それには、やつの、ふかい、たくらみがあったのです。
 ぼくが、とりこになってから、半月ほどのちのことでした。もうそのころは、日本人のいろいろな服装のことや、どこに何を売っているというようなことを、ぼくにおそわって、すっかり知っていたのですが、ひとりで、どこかへ出ていって、五、六時間も、るすにしたことがあります。むろん、ぼくは、そのすきに、円盤から逃げだそうと、いろいろ、やってみたのですが、円盤の口は、どうしてもひらきません。しかたがないので、そのまま、あいつの帰ってくるのを、まっていたのです。
 すると、あいつは、大きな荷物をかかえて帰ってきました。それは、なんだったと思いますか。服ですよ。背広が二つ、オーバーが二つ、それから、警官の服と帽子が、ひとそろい。たぶん、東京か横浜の、どこかの古着屋から、ぬすみだしてきたのでしょう。
 それからというもの、三日に一度ぐらい、やつは、どこかへ、出ていくのです。そして、そのたびごとに、警備隊員の制服だとか、労働者の服だとか、絹の和服だとか、その上にきるマントだとか、あらゆる服装を持って帰るのです。円盤の中は、まるで、芝居の衣装部屋のようになってしまいました。
 そして、ある朝のことです。ぼくが円盤の中のベッドで、目をさましますと、すぐ目の前に、ひとりの人間がつっ立っていたではありませんか。そうです。あのトカゲとコウモリの、あいの子のような宇宙怪人が、この地球の人間に化けたのです。変装したのです。
 洋服の上着のせなかにさいくをして、れいのコウモリのはねだけが、そとへ出るようにしてありました。頭には、ソフト帽を、まぶかにかぶっていました。その下に、どんな顔があったと思いますか。あの鳥のような顔ではありません。人間の顔なのです。しかも、その顔が、銀色にピカピカ光っていたのです。
 人間の顔とソックリのかたちをした、銀仮面なのです。目のところは、くりぬいてあって、そのおくから、怪物のヘビの目が、きみ悪く、のぞいていました。口のところにも、穴があいていました。両はじがギュッと上にあがった、三日月がたの黒い穴です。つまり、銀のお面が、ニヤリと笑っているのです。いつでも、どんなときでも、笑っているのです。
 あとでわかったのですが、その仮面は、顔のまえだけのものではなくて、頭からスッポリかぶるようになっていました。銀色の鉄仮面なのです。この仮面は、宇宙怪人が、自分でつくったものでした。あのはがねのようにかたくて、しかも、自由自在にまがる、星の世界の金属でつくったのです。そういう、ふしぎな金属ですから、仮面をつくるのも、わけのないことでした。怪人は、ぼくの知らぬまに、大円盤の中の工作場で、それをつくりあげていたのです。
 ぼくは、洋服のせなかに、はねのはえている銀仮面の怪物を見て、いちじはギョッとしましたが、すぐ宇宙怪人の変装とわかったので、
「きみは、そんな変装をして、いったい、なにをするつもりだ。」
 と、たずねてやりました。
『ワカラナイカネ。』
 あいては、銀仮面の三日月がたの口で、ニヤニヤ笑っているばかりです。
『さては、きみは、そんな日本人の変装をして、東京の町へ、まぎれこむつもりだな。そして、なにをしようというのだ。地球のようすを――日本のようすを、さぐるのか。スパイをするのか。』
『ソウカモシレナイ。』
小语种学习网  |  本站导航  |  英语学习  |  网页版
10/03 10:48
首页 刷新 顶部