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宇宙怪人-银光闪闪的脸庞(02)
日期:2021-10-01 23:50  点击:240
 怪人は、やっぱり笑ったままです。
『スパイをするだけでなくて、何か、ぬすみだすのじゃないか。地球の人間を、ほりょにして、星の世界へつれていこうというのじゃないか。』
『ヤメナサイ。キミハ、ハイニナルノガ、コワクナイノカ。』
 そう言われると、ぼくはもう、いちごんもありません。あの金属のスポイトのようなものから、スーッと煙がでて、その前にいたサルが、一しゅんかんに、灰になってしまったことを、思いだしたからです。灰にされてはたまりません。ぼくは、ギョッとして、口をつぐんでしまいました。
 それからというもの、ぼくは、なんとかして円盤の中から、逃げだそうと、たえず、すきをねらっていたのですが、きのうの朝、やっと、そのおりがありました。怪人が、円盤を出ていったあとが、ひらいたままになっていたのです。あんな、ぬけめのないやつでも、ウッカリすることがあるんですね。
 ぼくは、いきなり、そこからはいだして、森の中へかくれました。そして、おいしげった、木の葉の下を、はうようにして逃げたのです。道にまよいましたが、一日がかりで、やっと、夜になって、ふもとに、たどりついたのです。
 その晩は、村人の家にとめてもらい、よく日、電車の駅まで歩いて、やっと、東京へかえってきました。円盤のことも、怪人のことも、だれにも言いませんでした。いまごろは、ぼくが逃げたことを知って、円盤を、べつの場所へ、うつしたにちがいないと思ったからです。それに、ぼくは、むがむちゅうで、逃げたのですから、円盤のあったところへ、あんないしろ、といわれても、とてもわからないと思ったからです。
 それよりも、はやく東京に帰って、警視庁にうったえ、新聞社に知らせ、怪人が日本人に変装して、どこにあらわれるかもしれないということを、日本じゅうの人々に知らせなければならないと考えたのです。」
 北村さんのながい話が、やっと、おわりました。しかし、だれも口をきくものがありません。あまりに、おそろしい話なので、なんと言っていいか、わからなかったからです。
 しばらくすると、名探偵の助手の小林少年が、ふと気がついたように、たずねました。
「たべものは、どうしていたのですか。怪人が、どこかから持ってきてくれたのですか。そして、怪人も、やはり、ぼくたちと同じように、食事をするのですか。」
 すると、北村さんは、もっともな質問だ、というように、うなずいてみせて、
「それが、じつにふしぎなんです。怪人は、銀色の小さな入れものから、錠剤のようなものを出して、ときどき口へ入れているのです。それが食事なんです。ぼくにも、それをくれたのですが、一日に二、三度、それをたべると、すこしもはらがへりません。それから、お酒のようなものも飲ませてくれました。じつにおいしいのです。小さな錠剤ひとつぶと、すこしばかりのお酒で、おなかが、くちくなってしまうのです。こんな便利なたべものを、発明するほどですから、科学にかけては、地球の人間は、とても、かないっこありませんよ。」
 そのとき、明智探偵が、しずかに、たずねました。
「北村さん、その怪人は、はねをもっているのだから、逃げだしたきみを、空からさがすのは、わけのないことですね。そして、きみを円盤の中へ、つれもどすのは、わけのないことですね。どうして、そうしなかったのでしょう。」
「もう、日本語をおぼえてしまったから、ぼくがいらなくなったからだと思います。ひょっとしたら、円盤のふたを、あけたままにしておいたのも、わざと、ぼくを逃がすためだったかもしれません。それからね、明智先生、あいつは、ぼくの口から、あいつのことをしゃべらせ、それが新聞にのって日本じゅうのうわさになることを、のぞんでいたのかもしれませんよ。サア、おれは人間に変装して、おまえたちの町の中へはいっていくんだぞ。つかまえられるものなら、つかまえてみるがいいと、宇宙人のえらさを、見せびらかしたいのかもしれませんよ。」
「フーム、その考えはおもしろい。見せびらかしたいというのはね。しかし、もし、そいつが、星の世界から、地球のようすを、さぐりにきたスパイだとすると、人間に変装することなんかは、かくしておかなければ、ならないはずですね。ここがおもしろいのですよ。ここに、ひじょうに、だいじな意味がかくされているのですよ。」
 明智探偵は、なぞのようなことを言って、じっと、ひとつところを、見つめていました。この明智のことばは、そのときは、だれにも、わかりませんでしたが、ずっと、あとになって、ああ、そうだったのか、さすがは名探偵だと、思いあたるときがくるのです。
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