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宇宙怪人-外星球魔术(02)
日期:2021-10-01 23:50  点击:242
 明智探偵が、中村係長と顔を見あわせながら、考えぶかく言いました。
 しかし、あとになって、警察は、けっきょく、この北村青年の意見をもちいることになったのです。ネズミとりの何百倍もある、大きなわなを用意したのです。でも、それは、鉄のあみではありません。もっと、便利で、もっと、じょうぶなものでした。
 話がここまですすんだとき、とつぜん、どこか遠くのほうから、
「キャーッ。」という、悲鳴が、聞こえてきました。
 みんなは、思わず、顔をみあわせました。
「アッ、いまのは、ゆりかの声です。あの子が、どうかしたのかもしれません。」
 平野君のおとうさまは、そう言ったかと思うと、あわてて、部屋のそとへ、とびだしていきました。
 そして、しばらくすると、どこからか、
「みなさん、はやく来てください。たいへんです。ゆりかが、ゆりかが……。」
というおとうさまの、けたたましい声が、ひびいてきました。

 これより、すこしまえ、ゆりかさんは、あの庭にめんした、自分の部屋へ、いそぎ足にはいってきました。さっき、おかあさまに、「今夜は、おくの部屋にいるのですよ。」と、わけも言わないで、手をひいて、おくまった部屋へ、つれていかれたまま、すなおに、じっとしていたのですが、だいじなバイオリンを、机のうえに、ほうりだしたままにしておいたのが気がかりだったので、ゆりかさんは、ソッと、おくの部屋を出て、自分の部屋へ、やってきたのです。
 ゆりかさんは、宇宙怪人が、庭にあらわれたことは知りません。びっくりさせてはいけない、と思って、まだ、だれも、話さなかったからです。怪人が、庭で平野少年に、ものを言ったときには、窓のカーテンがしめてあったうえに、バイオリンにむちゅうになっていて、ゆりかさんは、庭のできごとを、すこしも知らなかったのです。
 さて、部屋にはいって、投げすててあったバイオリンをサックにおさめ、それを本箱の上においたときです。ゆりかさんは、なんだか、えたいのしれない、みょうな気持ちになりました。だれかに、じっとみつめられているような、ゾーッとするような感じなのです。
 ゆりかさんは、キョロキョロと、あたりを見まわしました。しかし、部屋の中にはだれもいません。ひらいたドアのむこうにも、ひとかげはありません。
 ゆりかさんの目が、ふと、窓のカーテンを見ました。そして、そのまま、動かなくなってしまいました。
「ああ、あすこだわ、あのカーテンのむこうの窓のそとに、わたくしを、じっとみつめているものがいる。きっとそうだわ。」
 ゆりかさんは、胸がドキドキしてきました。でも、きじょうな少女でしたから、にげだしはしません。いきなり、窓のほうへ、近づいていったのです。そして、サッと、カーテンをひらいたのです。
 ガラス窓のそとは、まっくらな夜でした。そのまっくらな中に、ボーッと、うきだしている白いもの、はくぼくをぬったように、異様にまっ白なもの、いや、白いのではありません。キラキラ光っているのです。銀色に光っているのです。
 二つの、まっ黒な穴のような目、三日月がたに、キューッと、両はじのつりあがった口……、宇宙怪人です。つい四、五十分まえに、ブーンという音をたてて、空へ逃げていったあの怪物が、いつのまにか、また、もどってきたのです。
 その銀色の顔が、スーッと、ガラス窓に近づいてきました。そして、ガラスに、ぴったりくっついて、カタカタと、音をたてました。
 ゆりかさんは、窓のそとの銀仮面と、むかいあって、笑ったような、みょうな顔になりました。ながいあいだ、笑った顔で、にらみあっていました。
 そして、とつぜん、「キャーッ」と、さけぶと、くずれるように、その場にたおれてしまいました。気をうしなったのです。
 ゆりかさんの悲鳴をきいて、おとうさまがかけつけ、それから、明智探偵と中村係長が、かけつけてきました。

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