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宇宙怪人-瓮中怪人(01)
日期:2021-10-01 23:50  点击:251

毒ガス


 こちらは、アパートの二階の刑事の部屋です。刑事はカーテンのすきまに、双眼鏡をあてて、さっきからのありさまを、すっかり見とどけていました。くらのまえには、電灯がついているので、怪人のようすが、手にとるように、ながめられたのです。
 鉄ごうしの落ちた音は、ここまで、ひびいてきました。そして、怪人が、おそろしい力で、中から、鉄ごうしをゆさぶっているのも、ハッキリ見えました。しかし、重い鉄ごうしはビクともしません。
 やがて、怪人は、クルッと、むこうむきになって、いきなり、くらの中へ進んでいきました。いうまでもなくゆりかさんに、とびかかっていったのです。でも、こちらからは、そこまでは見えません。くらの中がうすぐらいのと、入り口のかべが、じゃまになってゆりかさんの机のへんは見えないのです。
「しめたぞ!」
 刑事は、双眼鏡を目からはなして、思わず、ひとりごとを言いました。あの鉄ごうしが、やぶれなければ、もう、どこからも逃げだすみちはないのです。小さな窓はありますが、みな、太い鉄棒がはまっていて、いくら怪物でも、それをおりまげる力はないはずです。
 刑事は、いそいで、スイッチ盤のところへいって、『ベル』と書いた紙のはってあるボタンを強く押しました。すると、部屋のそとで、リリリリリリンとけたたましいベルの音が、ひろっぱいっぱいに、なりひびくのでした。
 それが、あいずだったのでしょう。ひろっぱの、くらやみに、身をかくしていた、五人の男のすがたが、あらわれて、コンクリートのくらのほうへ、かけだしました。ふたりは正面の入り口へ、三人はくらのうらと、横手の三方へ。
 それは、入り口と、三つの窓の鉄の扉をしめるためでした。窓にも、みな、そとからしめる、がんじょうな鉄の戸がついていたのです。
 五人が、それぞれの扉をしめて、ひきかえしてくるころには、二階の部屋にも、おおぜいの人がつめかけていました。べつの部屋で、まちかまえていた警視庁の人たちです。捜査課長と、ふたりの係長。その係長のひとりは、おなじみの中村係長でした。もうひとりは、この事件の応援にやってきた、佐藤という係長です。あとから、北村青年と小林少年もはいってきました。明智探偵は、なぜか、すがたを見せません。
 そこへ、いま、くらの扉をしめた五人の刑事がドヤドヤとはいってきました。そして、すべての扉が、かんぜんに密閉されたことを、報告しました。
「では、ボタンを押しましょうか」
 スイッチ盤のまえにいた刑事が、上役(うわやく)たちの顔を見まわして、ひくい声でたずねました。
 中村係長が捜査課長に、なにかささやくと、課長が大きくうなずきました。それを見て、警部は、力強い声で言いました。
「よろしい、押したまえ。」
 刑事が、『ガス』と書いた紙のはってあるボタンをグッと押しました。
 今夜、はじめて、この事件の応援にきた佐藤係長が、みょうな顔をして、中村係長のひざを、指でつつきました。
「あのボタンはなんだね。」
「ねむりガスさ。」
「え、ねむりガスだって?」
 中村係長は、ニッコリ笑って、

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