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铁塔王国的恐怖-魔法杖
日期:2021-11-22 23:52  点击:275

魔法のつえ


 お話は、すこしあとにもどりまして、時間でいえば、にせ明智探偵が高橋さんのおうちへ、たずねて来るよりも、まえのことです。
 そのころ、明智探偵事務所の地下室では、にせ探偵のために、そこへとじこめられた小林少年と高橋さんの書生の広田とが、地下室をぬけだす相談をしていました。
 まっ暗な地下室の床が、まるくポッと光っています。小林少年の懐中電灯を、広田が手にもって、床にならんでいる探偵七つ道具を、てらしているのです。
 小林少年は、その七つ道具の中から、銀色に光った三十センチほどの長さの筒を、とりあげて、説明するのでした。
「これは魔法のつえですよ。たった三十センチの筒が、たちまち、三メートルにのびるのですよ。」
「へー、ほんとうかい?」
 広田はびっくりしています。
「ほら、ごらんなさい。のびるでしょう。手品師のもっているつえと同じしかけです。」
 銀の筒を、サッとふると、倍の長さになり、もう一度、ふると、三倍の長さになり、四倍、五倍、六倍と、いくらでものびていくのです。それは写真機をのせる三脚と同じしかけで、銀色の筒の中に、すこしほそい第二の筒があり、その中にまた、もっとほそい第三の筒があるというように、十本の筒がかさなりあっていて、それを、つぎつぎと、ひっぱりだせば、おしまいには、十倍の長さにのびるしかけなのです。
「ね、わかったでしょう。この長い棒があれば、地下室をぬけだすことなんか、わけもありませんよ。」
 小林少年は、たちあがって、その銀色の長い棒をてんじょうの落としぶたのほうへ、のばしました。
「懐中電灯で、てんじょうをてらしてください。」
 広田がいわれたとおり、てんじょうをてらします。そのまるい光のなかに、落とし穴のふたを、とめている金具が見えます。小林君は、せのびをして、長い棒のさきで、その金具を、よこから、たたくようにして、とうとう、はずしてしまいました。すると、バタンと音がして落とし穴のふたが、下にさがり、そこに、四角な口がひらきました。
 小林君は、七つ道具の中の、絹糸の縄ばしごを、てばやく、ほぐして、かぎになった金具のついている、一方のはしを、てんじょうの四角な穴に、なげ上げ、うまくそこへ、ひっかけました。金具は、なにかにひっかかったら、けっして、はずれないように、できているのです。
 縄ばしごといっても、はしごのかたちをしているわけではありません。じょうぶな黒い絹糸を、何十本もないあわせて、四十センチぐらいのかんかくで、大きなむすび玉が、いくつもついているわけなのです。
「ぼくらを、ここに落としたわるものは、もうでかけたにきまっています。上には、だれもいません。ぼくが、さきにのぼりますから、広田さんも、すぐあとから、きてください。」
 小林君は、なれたもので、まるでサルのように、ほそい縄ばしごを、スルスルとのぼっていきました。広田は、小林君のように、うまくはのぼれませんが、それでも、やっと上の部屋に、たどりつきました。
「あいつは、どこへでかけたんだろう?」
「きまってますよ。明智先生になりすまして、高橋さんのうちへのりこんだのです。そして、なんとかうまくごまかして、賢二君をつれだすつもりです。さあ、いきましょう。グズグズしていると、賢二君が、どんなめにあうかもしれませんよ。」
 小林君は、そういいながら、もう、おもての方へ、かけだしていました。

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