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塔上的奇术师-父女相会
日期:2022-01-15 23:56  点击:238

笑う四十面相


 四十面相は、その金ぴかの部屋の金ぴかのテーブルのむこうに立って、にやにやと、笑っていました。
「淡谷さん、あなたはなかなか勇気がある。ひとりで、宝石を持って、ここまできてくださった。もし、刑事や私立探偵に、わたしのあとをつけさせるようなことをなさったら、わたしはスミ子さんをかえさないつもりでした。しかし、こうして、わたしのいったとおりにしてくださったのだから、約束どおり、おじょうさんを、おかえししますよ。」
 四十面相は、ていねいなことばで、そんなことをいいました。
「むろん、かえしてもらわなければこまる。わたしは、三十年もかかって集めた宝ものを、きみにやるのだからね。もし、むすめをかえしてくれなければ、わたしも男だ。いのちをすてても、きみとたたかうつもりだ。」
 淡谷さんは、顔に決心の色をあらわして、強くいうのでした。
「ハハハハ……。それにはおよびませんよ。おじょうさんは、たしかに、おかえしします。いま、ここへつれてこさせますよ。」
 その時、四十面相の部下らしい男が、あわただしく、そこへかけこんできました。
「かしら、たいへんなことがあるんです。」
 部下は淡谷さんを、じろりとよこ目でながめ、四十面相のそばによると、その耳に口をつけるようにして、なにか、ぼそぼそとささやきました。
 それを聞くと、四十面相は、恐ろしい顔になって、ぐっと淡谷さんをにらみつけましたが、そのまま、部下といっしょに、いそいで部屋を出ていくのでした。
 淡谷さんは、なんだか心配になってきました。四十面相が、あんな恐ろしい目でにらみつけたのを見ると、なにか、思いがけないことがおこったのかもしれないのです。もし、スミ子ちゃんをかえしてくれないようなことになったらと、気が気ではありません。
 そうして十分も待ったでしょうか。やっと四十面相が帰ってきました。ああ、ありがたい。かれは、スミ子ちゃんの手を引いていたのです。
「おとうさま!」
 泣きさけぶような声をたてて、スミ子ちゃんが、淡谷さんにとびついてきました。淡谷さんも、両手で、スミ子ちゃんをだきしめて、しばらくはものもいえないほどでした。
 スミ子ちゃんは、うちを出た時のままの服をきていましたが、それが、たいへんしわになっていました。夜も、そのまま寝たのにちがいありません。そして、顔色がわるく、すこし、やせたように見えました。
 しかし、おとうさんの腕に、しっかりだかれているのですから、もうだいじょうぶです。
 その時、とつぜん、びっくりするような笑い声がおこりました。四十面相が、恐ろしい声で笑っているのです。
「ワハハハハハ……、じつにおかしい。こいつは、大笑いだ。
 ワハハハハハ……。いや淡谷さん、あなたには関係のないことですよ。安心しなさい。あなたは、こうして、ちゃんと宝石を持ってきてくださったのだから、スミ子さんは、まちがいなくかえしますよ。
 しかし、あなたはたぶん知らないことだと思うが、明智探偵が、へんなことをやったのですよ。ワハハハハ……。だが四十面相は、それに気がつかぬほど、ばかじゃないと、つたえてください。明智にあったら、そういってください。ワハハハハ……、いまに、明智先生、泣きべそをかきますよ。ワハハハハ……、こいつは、ゆかいだ。」
 淡谷さんには、なんのことだかすこしもわかりませんが、スミ子ちゃんさえ帰ってくれば、なにもいうことはないので、どういうわけだと、聞きただしもしませんでした。
 それから、淡谷さんとスミ子ちゃんは、また目かくしをされ、四十面相の部下に手を引かれ、部屋を出て階段をのぼり、自動車に乗せられて、淡谷さんのうちまで、送りかえされたのでした。スミ子ちゃんの顔を見て、おかあさんやにいさんが、どんなにおよろこびになったか、それは、みなさんのご想像にまかせます。

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