「もしかして――それ、ヴォル――あ、ごめん――『例のあの人』と関かん係けいがあるの」
ドビーの頭がまた壁のほうに傾かしいでいった。
「首を縦たてに振るか、横に振るかだけしてくれればいいよ」ハリーは慌あわてて言った。
ゆっくりと、ドビーは首を横に振った。
「いいえ――『名前を呼んではいけないあの人』ではございません」
ドビーは目を大きく見開いて、ハリーに何かヒントを与えようとしているようだったが、ハリーにはまるで見当がつかなかった。
「『あの人』に兄弟がいたかなぁ」
ドビーは首を横に振り、目をさらに大きく見開いた。
「それじゃ、ホグワーツで世にも恐ろしいことを引き起こせるのは、ほかに誰がいるのか、全然思いつかないよ。だって、ほら、ダンブルドアがいるからそんなことはできないんだ。――君、ダンブルドアは知ってるよね」
ドビーはお辞じ儀ぎをした。
「アルバス・ダンブルドアはホグワーツ始まって以来、最高の校長先生でございます。ドビーめはそれを存じております。ドビーめはダンブルドアのお力が『名前を呼んではいけないあの人』の最さい高こう潮ちょうの時の力にも対たい抗こうできると聞いております。しかし、でございます」
ドビーはここで声を落として、切せっ羽ぱ詰つまったように囁ささやいた。
「ダンブルドアが使わない力が……正しい魔法使いならけっして使わない力が……」
ハリーが止める間もなく、ドビーはベッドからポーンと飛び降おり、ハリーの机の上の電気スタンドを引っつかむなり、耳をつんざくような叫さけび声をあげながら自分の頭を殴なぐりはじめた。
“等等—— 这不会和伏.对不起—— 和你知道的那个神秘人有关吧?你只要摇头或点头。”他赶忙加上一句,因为多比的脑袋又令人担心地靠向了墙壁。
多比缓缓地摇了摇头。
“不是—— 不是那个连名字都不能提的魔头,先生。”
可是多比的眼睛瞪大了,似乎想给哈利一个暗示,但哈利一片茫然。
“他没有兄弟吧?,’.多比摇摇头,眼睛瞪得更大。
“鄢我就想不出还有谁能在霍格沃茨制造恐怖事件了。”哈利说,“我是说,第一,有邓布利多一一你知道邓布利多吧?"多比低下头。
“多比知道,阿不思邓布利多是霍格沃茨建校以来最伟大的校长。多比听说邓布利多的法力能与那个连名字都不能提的魔头最强大的时候相匹敌。可是先生,”多比急促地小声说,“有些法术邓布利多也不..没有一个正派的巫师会..”
哈利制止不及,多比跳下床,抓起哈利的台灯往自己的脑袋上乱敲,伴着一声声凄厉的惨叫。